講座レポート of 東京海洋大学 フィッシング・カレッジ

東京海洋大学 フィッシング・カレッジ

釣りを通じて海や魚、水辺環境に親しみましょう


2010年7月12日(月)癒しの魚、キンギョの話。

講師・岡本信明(東京海洋大学教授)海洋生物資源学科・生物生産学講座

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夏はやっぱりキンギョでしょ!というキャッチフレーズで毎年7月に講義をお願いしている岡本信明先生です。
 岡本先生は「明るく、楽しく、粘り強く」をモットーに、学生とともに歩んでいきたいというポリシーを持って研究、教育に力を注いでいる方です。
 愛知県出身で、子供の頃は魚釣りに夢中になり、たくさんの自然経験を経たうえでの魚に対する思い入れは、並みならぬものです。
 その中でハマった魚がキンギョ。
キンギョのルーツはフナです。約1700年前に中国のジイというフナが突然変異して生まれてきたものを品種交配して、今日の様々な形が出来上がった魚です。日本のキンギョすべてがジイと以前師が一致するのだそうです。

 さて今は庶民的になったキンギョですが、昔はお金持ちが飼っていたそうです超マニアな方々の中では、品評会で高得点を取るようなキンギョはもちろん高値で取引されているようですが、、、。

 キンギョの飼育は簡単で、容器が決め手。もともと水槽で飼って横から見る魚ではなく、洗面器のような器で上から見るのが楽しい魚です。近年はエアーポンプを使うのが当たり前ですが、広くて浅い容器で買うと、キンギョが泳ぎまわるだけでも、酸素の溶け具合がよく、エアーポンプなしでも、それほど頻繁に水替えしなくてもいいそうです。
 キンギョはエアーポンプなしで飼う。これがまず基本ということですね。また水道水を使う場合はカルキ抜きがなくても、ビタミンCが入ったレモン味のキャンディを溶かせばいいというお話も聞きました。
 また病気に対して抵抗力をつけるために塩水を使うなど、結構強い魚、キンギョというイメージもアピールされていました。

20100712TFC 026.jpg本学への入学希望の高校生、岡本先生から著書「キンギョ}をいただいてご満悦。

 そして今回の講義のハイライトは、キンギョの配布。学生の冨澤輝樹クンが孵化させた朱文金(シュブンキン)の生後3週間の稚魚を、参加者みんなに配布。マツモもいっしょに配って、みなさん大喜びでした。
 このアイデアいいですね。来年からも年中行事にしたいです。
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前座では、奥山が地球温暖化と川の水温の上昇の関係、放流された熱帯魚の生き残りについてお話しました。

キンギョは釣りの対象魚ではありませんが、釣り魚と同じく身近な存在の魚です。海や川に対象魚への思いをはせるのもいいのですが、ご自宅にキンギョを飼い、その動きを見て魚という生物をしみじみと観察し、そして癒される。そんな余裕も必要なのではないでしょうか?
 魚を飼うと愛情が湧き、今度は川で釣った魚をリリースする時、極力丁寧に扱ったりして、、、、。そんな釣り師が増えてほしいです。

次回の講座は8月9日です。








2010年6月14日(月)人間が錯乱した内水面と、外来魚 

講師・加藤憲司 (東京都島しょ農林水産総合センター)
    奥山文弥(東京海洋大学客員教授)

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講師の加藤憲司さんは、海洋大卒業生です。初年の頃から釣りキチで、魚を勉強し、仕事も魚の研究をしています。今では東京都島しょ農林水産総合センターと呼ばれていますか、もとは東京都水産試験場です。
 東京都には試験場が5か所あり、多摩川上流の奥多摩、東京湾岸の竹芝、大島、八丈島、そして小笠原父島にあります。加藤さんは八丈島以外の4か所に勤務し、今は奥多摩いり川のお魚センターにいらっしゃいます。
 海の研究にも深くかかわった加藤さんですが、内水面の魚類び研究家として有名です。
 著書も多いのですが、「よみがえれふるさとの魚たち(リベルタ出版)」は素晴らしい本です。
 今回は、人間が錯乱し続けた内水面、つまり河川や湖沼で生きる魚の生態、外来魚の影響についてお話を聞きました。
 まずニジマスというポピュラーな魚が実は外来魚であったこと、この魚を増殖目的で、各地の河川に放流したけれど、定着しなかったなしから始まり、なぜそうなったのか、という理由までが興味深かったです。
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 また水産の立場から言うと、魚を増やす目的で放流することはとてもいいことなのだけれど、それは漁協などの認可で行われるべきものだということ。オオクチバスやブルーギルは許可を受けないで、あるいは地元の合意を受けないで放流したものだから、よろしくありませんということ。
 今後、内水面の川を維持するために守る、再生するなどの行動は、専門家だけでなく、地域社会や行政、経済と広く合意して考えていきべきだという提案もありました。
 あっという間の2時間でした。加藤さんにはまたいつか今度は海の魚のお話も聞きたいものです。

20100614TFC 016.jpg加藤さんの著書を手にする参加者

前座は奥山がビオトープ作りの話をしました。ほとんど死にかけていた羽村市立小作台小学校の池を家族で掃除し、群馬県館林市郊外の岡部沼産のアシやスイレン、そしてメダカを移植したというお話です。
関連はコチラをどうぞ。

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2010年5月17日(月) 水圏環境リテラシーの必要性・フライフィッシングの話

講師・佐々木剛(東京海洋大学准教授)
    奥山文弥(東京海洋大学客員教授)


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もはや人の生活と水が切り離せないことは、すべての人がよく知っていることです。飲むために必要な水だけではなく、地球を構成する海洋環境の元として私たちは理解していなければなりません。

海洋環境リテラシーとは、水辺に対する総合的な理解力を深め、そしてそれを伝えていくことです。

 今回も、東京海洋大学 海洋リテラシー推進部門 水圏環境教育学研究室の佐々木剛先生が、実際に各地で行われている水辺教育の具体例をあげながら解説してくれました。
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 研究室の和木美玲さんが主導して、グループに分かれ、海苔の同定するという机上実習を行ってくれました。

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水圏環境リテラシーは私が大学内で所属する産学・地域連携推進機構の水圏環境リテラシー部門というところでもやっています。
フィッシング・カレッジはその一部所です。

つまり釣りを通じで見すべ環境に興味を深め、それを理解し、伝えていくのがフィッシングカレッジの役目なのです。

リテラシーに関しての詳しい情報は佐々木先生のブログを真剣に読んでいただくと分かります。ぜひとも下記のブログをお読みください。

佐々木先生のブログはこちら。
ワカサギ博士のブログ

 前座では奥山が李れ他シー教育に最適なフライフィッシングがなぜ日本人には受け入れられにくいのだろう?という話をしました。

 国民性として?かっこ付け師?セレブ?難しすぎ?日本の国土にフライが合わない?疑問点はいっぱいありますが、フライの市場も小さく、「販売して仕事にする」業者が、本当の面白さを教えることをしていないのではないかとも考えられます。
釣ったらエライという国民的な考えがあるのなかで、フライフィッシングという簡単に釣れない特殊な釣りでその教育方針を確立するには、あまりにもマニアック過ぎて、教える側も手が出ないと言ったところでしょうか???
フライフィッシングに関しては奥山文弥のブログでも度々紹介しています。

ぜひご覧ください。
奥山文弥のフィッシング・カレッジ

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2010年4月12日(月)釣りエサの科学

講師・長岡寛(マルキユー株式会社企画部・次長)

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おそらく釣りエサの成分や機能について語らせたらこの人の右に出る人はいないと思われるほど、知識や経験が豊富な長岡さんに登場願いました。

今回から講座が始まる前に奥山客員教授が前座として20分ぐらい、最近の状況などを話しました。

 今回の話題は春休みの家族旅行で、釣ったキメジを泳がせて長男がカジキを釣ったという驚きの体験、そして多摩川に遡上中のマルタ(俗称マルタウグイ)の産卵行動とゲームフィッシュの対象としての素晴らしさ、多摩川の水質改善についての話をしました。

 長岡さんのお話は、面白くて語りつくせないほどのものでした。
一例をあげるとプランクトン食のヘラブナが、なぜネリエサに食いつくのだろうかという話や、クロダイを引き寄せるフェロモン効果など。
 魚が反応しやすいアミノ酸の話も驚きでした。魚種によって反応した水アミノ酸の種類が違うことも。
 ここで詳しく説明したら一冊の本が出来上がってしまうほどの内容でした。
 マルキユーという釣りエサのトップメーカーに勤務し、日本中を釣り歩いた長岡さんの話では、メーカーとしての責任がただ釣れるだけでなく、環境についても配慮するところにあるとのこと。プラスティックワームの生分解性の必要性も訴えていました。

 昨年もお話いただきましたが、年を追うごとにパワーアップされ、参加者からは質問攻めにあっていました。

皆さんも大学に来て釣りにまつわる自然科学のお話に耳を傾けませんか?

次回は5月17日(月)水圏環境リテラシーのお話です。

講師は佐々木剛准教授です。

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2010年3月8日(月)サケ科魚類の現状と未来・日本のサケ釣り

講師・井田斉(北里大学名誉教授) 奥山文弥

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「サバがマグロを生む日」という本のなかでもサケを語ってくれている井田先生にお話をいただきました。

 まずは地球規模の海洋深層水の上昇によって栄養価の高い海水がベーリング海周辺に湧きあがるので、そこは豊かな寒い海となり、そこで生活するサケの成長を促しているというお話から、地球温暖化などの環境面の話をしみじみと聞きました。

 サケの味は?  と聞かれて

ノルウエーサーモンやチリのギンザケの赤身で脂がコッテリ乗った味を思い出す人がほとんどでではないでしょうか?

 旬を知らない。

ほどよい脂のサケの味を知らない人が多いと嘆いていらっしゃいました。

サケの魚肉にはDHAやEPAが多く含まれており、老化防止とも言える抗酸化機能を持ったアスタキサンチンも含まれているので、ぜひともみなさん食べてくださいと言うことでした。

極力、国産物を食べましょうという井田先生でした。

 サケ釣りの話は、井田先生の話で、サケが売れなくなった理由から来ているものです。。輸入品に圧倒されて国内で捕獲されたサケを食べなくなってきているので売れないそうです。これではふ化事業の予算が取れないですね。
 そこでサケを調査という有効利用で、調査員をお手伝いいただく釣り師から調査参加費をいただいて、というのが、釣獲調査の根底です。

水産資源保護法によって

サケの捕獲を禁じられています

そのため日本国内での川のサケ釣りは出来ませんでした。
サーモンフィッシングを楽しむためにはアラスカやカナダへ行くしかなかったのです。
 それが1995年に北海道の標津町、忠類川が釣獲調査という形でサケ釣りを可能にしたのです。

 私はこの年、トゥナイトⅡという深夜番組の取材で忠類川に、山本晋也監督と一緒に行きました。

 調査員として調査に参加するという形でしか釣りは出来ませんが、サケ釣りが可能になっただけでもとっても進歩したと言えます。
 まだまだ本場のスポーツフィッシングには程遠いですが、、、、。でもそのうち。
 サケという水産資源の利用法は、現地の漁協の采配に掛かっています。
 漁協の運営方法に期待しましょう。

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2010年2月8日(月)日本の釣りの規則

講師・山崎雄一郎 水産庁釣り人専門官

20100208フィッシングカレッジ 013.jpg2010年の最初の講座は日本の釣りのルールについてのお話です。水産庁から山崎釣り専門官にお越しいただき話を聞きました。
 皆さんは海や川で、釣りをする時、そこにどんなルールがあるのか知った上で行っていますか?ほとんどの方が
「え?釣りに規則があるの?」と驚かれます。
「ゴミを捨てなきゃいいんでしょ?」
「周りに迷惑をかけなければ、、、。」
というのは規則でなくてマナーです。
規則とは、守られない場合、罰則もあるというものです。

その中には漁業法、水産資源保護法、漁業調整規則、遊漁規則などがあります。
今回はそれはどんなものかを山崎さんが教えてくれました。

 例えば、遊漁者(釣り人)が使ってよい漁具漁法、つまり釣り具や釣り方ですね。これを定めたり、採捕(釣る)できる大きさの規則があります。また外来魚(ブラックバスやブルーギルなど)の移植禁止なども規定されています。


 内水面(河川や湖など)で第5種共同漁業権の免許を受けている漁協は都道府県知事の認可を受けて漁業権対象魚種(ワカサギ、アユ、ヤマメ、コイ、フナ、ウグイなど)に遊漁規則を設定しています。
 この中には遊漁料、遊漁期間などが定められていますから、遊漁者は、釣りをするために遊漁料を払わなくてはいけません。
「え?タダじゃないの?」
そうです。タダではないのです。ただし、漁協によっては小学生以下無料などなど、地域によって遊漁規則が異なることもあります。

河川に遡上したサケは特別な場合を除き採捕してはならないという法律があるために「漁業権対象魚じゃないから釣ってもいいんだ」というのは間違いになります。

海釣りに使う撒き餌も、OKの県と、禁止の県があり、OKだとしてもイワシのミンチはいいけれどオキアミはダメとか細かく規定されているのです。

都道府県によって内容が異なりますので詳細についてはインターネットの利用や、都道府県の水産部局にお問い合わせください。とのことでした。

釣りも大好きという山崎さんのお話は非常に面白く、ぐいぐいと引きつけられていく内容でした。

20100208フィッシングカレッジ 017.jpg写真のキャプションを入力します。最後の質問コーナーでは、ブラックバスの漁業権や、遊漁券購入の協力依頼のお話などで、熱く盛り上がりました。
 内水面の遊漁券は、漁協本部で売っていたり、湖や池ではボート屋さんが扱っていたり、あるいはコンビニで扱ってしたりします。しかしどこで買えばいいのかわからない場合は巡回している組合の販売員(監視)から購入するという手もあります。販売所を設定していない漁協では、現場売り割増手数料を徴収しないところもあるんです。
 そんな釣り場で「監視員が来なかったら買わなくてもいいのでしょうか?」という質問には「仕方ないですね」というお答えでした。


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過去の講座をピックアップしてまとめた本もあります。

「サバがマグロを生む日」つり人社刊
どうぞよろしくお願いいたします。

海洋大学生協の書籍コーナーにロングセラーとして紹介されています。


2009年のレポート

2009年のレポートはこの並びからご覧ください。

2009年12月9日(月)ワカサギについて

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 漁業と遊漁の関係について詳しい、海洋政策文化学科の工藤貴史准教授にワカサギについて、お話していただきました。

 まずは生態の話、ワカサギのルーツや以前はサケの仲間と言われていたのに、分類が変わったことの話は興味深かったです。
 またワカサギの増殖には、自然さんらのみならず、漁業組合の努力が欠かせないことも。そしてワカサギも本来いなかった湖に、網走湖や、諏訪湖産がたくさん放流され、それがまた各地の漁協で増殖されているという話も聞きました。
 さらに冬になるとワカサギ釣りは盛んに行われますが、それは釣りをしていただくために漁協が放流しているから成り立ちもので、放流をやめてしまったらこんなには釣れないのだということには参加者一同驚きを隠せませんでした。

 そして食用として鮮魚コーナーで売られているワカサギのほとんどが、中国産であること。日本から中国へ移植され、中国の湖で盛んに増殖されているのがワカサギなのだというお話でした。
 ワカサギの勉強をした後、釣行会では山中湖にワカサギ釣りに行きます。

20091207TFC 016.jpgワカサギの抱卵数の変化について講義中の工藤先生。



2009年11月9日(月)東京港と東京湾スズキと環境 榎本茂 奥山文弥

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芝浦運河再生プロジェクトでおなじみの榎本茂さんに、今日は東京港の環境の話と、そこに生息するシーバス(スズキ)の話をしていただきました。
東京港の海はほとんどが運河の水、運河の水の主成分は私たちの生活処理水です。隅田川、多摩川、荒川から流れ込む水の70%が処理水です。
つまりほぼ人工海水で成り立っているようなものです。
しかしそこには独特の生態系が出来上がっていて、微生物やそれを食べる小魚などの食物連鎖が出来上がっていて、その頂点に君臨するのはスズキです。スズキは江戸前魚としては超高級魚なのです。
そのスズキと水の話を大変興味深く聞かせていただきました。榎本さんが運営するNPO法人海塾は、地域住民や東京都港湾局と連携し、日々、ベイエリアの環境浄化、維持に力を注いでいます。
その結果、水辺を親しむ一番のレクリエーションとして釣りが成立することを教えてくれたのです。
20091109TFC榎本 012.jpg今夜は満席でした。

第2部では榎本&奥山で東京湾シーバストーク。なぜニセモノノ餌であるルアーでスズキが釣れるのか、色は関係するのか?フックの位置と数は?
なぜショートバイトと言われている現象が起こるのか?ショートバイトは本当にあるのか?ではあのアワセは、、、、。などなど。
シーバス釣りに興味のある方はきっと熱くなったことでしょう。

釣行会では15日(日)に深川吉野屋から遊漁船をチャーターして東京湾に繰り出します。

次回はワカサギのお話です。

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2009年10月5日(月)水産物の流通 大竹正明  市村裕美子

20091005TFC 019.jpg今回の講座は、会議形式で行いました。
 いつも食卓に並ぶ魚介類は、どのようにして運ばれてくるのだろうというお話をお二方から聞きました。

20091005TFC 014.jpg大竹正明さん。

 第1部では、大都魚類株式会社取締役の大竹さんが、「市場(しじょう)」というのは何か?商売の仕組みを放してくれました。
どうやって魚の値段が決まっていくのか?
 定価が決まっている商品に市場はいらない。決まっていないものに値段をつけるのが市場だと。規格品ではないから供給が不安定、だから価格も変動すると。
 また一例で1尾1000円になった魚があったとして誰が何パーセント取り分があるのかなどというお話は非常に興味深く、参加者の皆さんがシーンとなって聞き入っていました。
 その他、セリの戦術など、フィッシングカレッジならではの「ここだけよ」というお話も聞けて非常に面白かったです。
20091005TFC 028.jpgいつも受付を手伝ってくれていた市村さんの講義。
 2部はスーパーのお魚コーナーで販売員をしている市村さんのお話でした。
 魚が発泡スチロールに入れられて運ばれ、中で捌いて(加工して)パックに詰めて、、、。ほんとに新鮮な旬の魚が売りさばかれている様子を聞かせてくれました。
 両氏の話を聞いていて、「魚が食べたくなりました。」

釣った魚が新鮮でいいというのは釣り師の特権ですが、いつも釣れるとは限らないし、釣りの魚は種類が限られます。

やはり結構のためにもという意味も含め、みんなで魚を食べましょう。出来れば輸入品に頼らず、日本で獲れた魚を。
 そうすれば水産関係の人も潤って、経済に貢献することもできますよね。








2009年9月7日(月) カツオで健康になる  矢澤一良

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 魚を食べると私たちの健康に大変良い。という話はよく聞きますが、ではどういいのでしょうか?というお話を矢澤一良(やざわかずなが)先生から伺いました。とりわけ、有名なDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)はカツオやマグロ、サンマなど、青物に多く含まれていて、特にカツオの頭部には大量のDHAが含まれているそうです。

 人の肥満、骨粗鬆症、血栓、認知症の話に触れ、魚の持つ栄養素(マリンビタミン)を多くとれば、それを防ぐことができるいう予防医学のお話も聞きました。

 また最近注目されているサケ科魚類の赤身。これにはアスタキサンチン、アンセリンという成分が含まれていて、抗酸化力があり、疲労回復、そして紫外線による肌へのダメージ回復にいいそうです。
魚類の中でもサケは特別に抗酸化作用が強いそうです。
 この赤身は、赤とも、オレンジともピンクともいえる鮮やかな色で、サーモンピンクという色もあるほどです。あ、あの色かと見たことがある方も多いことでしょう。

20090907TFC 021.jpg熱心に聞き入る参加者

 質疑応答の時間になると女性からの質問が多く出たのも興味深いことです。

 矢澤先生のカツオの話はサバがマグロを産む日、にも掲載されています。


20090907TFC 039.jpg手前のマグロの頭は何? 矢澤先生が持って来てくれた、頭部模型でした。
 第2部では奥山客員教授が昨今の相模湾に出現するカツオの実態と、それを釣ろうという話をしました。
 カツオは遠洋漁業だけの世界だと思われていただけに、こんなに身近に行えるということで、参加者の皆さんは、映像、画像を食い入るようにご覧になってました。
 今年も相模湾が豊漁である反面、カツオ漁などで有名な三陸沖や、九州では、今年は不良であるという参加者からの声も聞かれました。
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20090907TFC 030.jpg矢澤先生からプレゼントされたDHAタブレットをジャンケンポン大会でゲットした女性と記念撮影に応じる矢澤先生。



2009年8月3日 多摩川の話 山崎充啓

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 多摩川で遊ぼう。という主題で、川崎河川漁協総代の山崎充啓(みつあき)さんにお話ししていただきました。
 多摩川っていうとまだまだ水が汚れているというイメージを持つ方が多いのですが、そんなことはありません。
 ここは都民の川としては十分に浄化設備が効いて、魚たちがたくさん棲む川に戻っています。その証拠は年間1000万尾以上と言われているアユの遡上。東京湾から多摩川に天然魚が遡上するのです。
 またマルタというウグイの仲間も上ってきます。川のどこへ行っても小魚がたくさん泳いでいて、カワウに集団攻撃されて食べられていながらも、繁殖を繰り返していけるほど、生命感あふれる川なのです。
 ここでは川遊びの大切さを教えてくれましたが、大切なのは安全管理。「川はあぶない」と言われるのは増水したときなどに、無知な人たちが言ってしまうから。
 川はで楽しく遊ぶには、川の知識と安全管理が必要と山崎さんは教えてくれました。また決して一人で行かないようにと注意されていました。お父さんは釣り、子供は川遊びという場合は必ずライフジャケットをつけて遊びましょうね。とも。
 年間に多摩がの遊びをテーマに各地で講演会、そして多摩川で実習を行っている山崎さんの、川に対する情熱が伝わってきました。


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第2部は山崎さんと奥山客員教授とで多摩川トーク。二人とも美しい多摩川フォーラムのメンバーで、山崎さんは運営委員。川を愛する気持ちは人一倍です。
 アユ、マルタ、ウナギが上ってくるならば、最終的にはサクラマスが上流に上って産卵すれば、多摩川は上流と下流が本当の意味で1本になったということになるのではないかと、意識を再確認しました。
 参加者からはいつもになく質問が多く飛び出し、皆さん川への思いを強く持っていることがわかりました。



2009年7月6日 キンギョ 岡本信明

20090706TFC 002.jpgキンギョはね。金魚すくいで取ってきたら、塩水で飼って消毒しようね。 水は汲み置き3時間でいいよ。と岡本先生。

夏はやっぱり金魚でしょ。というタイトルで、海洋大のキンギョ博士、岡本信明先生に講義をしていただきました。
 この講義も早3年、サバがマグロを産む日(つり人社刊)の一筆者でもある岡本先生は、キンギョおたくというか、マニアですから、普段の講義と違った雰囲気で楽しそうにお話ししてくれました。

 キンギョの祖先はフナだということを知っていましたか?そしてキンギョを飼育して、産卵、ふ化させると突然デメキンが生まれたり、ランチュウが生まれることもあるそうです。

 これは金魚の飼育歴史の中で、突然変異という形で出来上がった、それぞれの形の遺伝子を持っているからだそうです。

 ですから素晴らしい体型のランチュウの♂♀を掛け合わせてもワキン、リュウキンが生まれることもあるそうです。

 さてもこのキンギョ特別な設備がなくても飼育できるそうで、エアポンプなしでもOK。

 ぜひキンギョを飼育して、眼で、涼しさを味わってください。

20090706TFC 010.jpg岡本先生が先日出版したその名も「金魚」成美堂出版です

岡本先生の金魚の話、詳しくは前述のサバがマグロを産む日もご一読ください。



2009年6月8日 水圏環境リテラシー 佐々木剛

今回は日本における水圏環境リテラシーのお話を海洋政策文化学科の佐々木剛先生から伺いました。

20090608TFC 018.jpg水の循環の意見を発表する参加者。左は佐々木先生

水圏環境リテラシーとは「海の総合的理解」のことを言います。リテラシー教育では海が私たちにどのような影響を与えているのか,私たちは海にどのような影響を与えているのかを理解し,責任ある行動が出来る人材育成を目指している事を説明されました。

 その後,参加者に6名ずつのグループに分かれて,水圏環境リテラシーは日本人に必要か,というグループディスカッションを実施しました。
 参加者は、リテラシーという意味すらわからないと当惑していましたが、ディカッションを続けるうちに皆さん迫熱してきました。

詳しくは佐々木先生のブログをご覧ください。



 参加者の方々からは,水圏環境リテラシーの難しい語句が並んだものでは理解できないが,そのリテラシーを具体的に推進するラーニングサイクルについて多くの賛同のご意見が出ました
 社会人としても,ぜひ水圏環境リテラシーのリーダー養成プログラムを受講したいがどうしたらいいかという質問や,民間企業の方からも海洋大学の実施しているリテラシー教育と繋がりながら社会還元を実施したいという意見もありました。

 またフィッシングカレッジということで,釣りの探究活動としての可能性についてお話しされ、釣りはリテラシー教育にとって大変重要なツールであること。これからは,参加者皆さんによってラーニングサイクルに基づいた釣りの探究学習が実施されることを願っていると期待を込めて,カレッジを終了しました。
20090608TFC 020.jpg 参加者がグループになりラーニングサイクルとは何かを体験した。




2009年5月11日 釣りと環境 長岡寛・榎本茂

 今回の講師は、前回に引き続きマルキユー株式会社企画部次長の長岡寛さんでした。
 前回は餌のお話でしたが、今回は『釣り餌と海洋環境』という講義でした。
海をのぞきこむと油が浮いていて汚い印象を持つことがあります。釣り人の撒き餌などが環境汚染につながるのではないか、という疑念の目で見られつつ釣りをするのは気持ちのいいものではありません。
 環境にやさしい釣り餌作りへのマルキユーの取り組みについて話していただきました。マルキユーでは天然の素材を使用するなどの工夫をしている他に、三宅島など様々な環境下で餌が環境を汚しているのかを確かめる実験を行っており、その結果、海洋環境汚染の指標となるリン酸値にも大きな変化は無いこと等々を詳しく語っていただきました。
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 今回は二部構成で次にNPO法人海塾の榎本塾長から京浜港の運河の水質を良くしていくために、海塾がどのような活動をしているかや、水質を良くするために我々の日常で何ができるかなどについて語っていただきました。
 また、東京の運河でのシーバスフィッシングについて、ルアーにバイトする映像を交えつつ話していただきました。迫力のある映像に一同大興奮でした。

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2009年4月13日  釣りエサ

釣りエサの科学

20090413TFC 012.jpg今回の講師は、マルキュー株式会社企画部次長の長岡寛さんでした。
 長岡さんは、マルキューの研究室の室長として長年に渡り、釣り餌の開発をしてきました。それはすべて科学的根拠をもとに、環境に配慮した餌作りなのです。
 なぜ環境に配慮しなければならないかと言うと、水中に投げ込んだ餌はすべて、ハリに掛らなかった魚のエサとなり、あるいは水中のすべての生物に分解されないと、水を汚すことになるからです。
 また釣った魚を私たちは食べるので、釣り餌、撒き餌を食べた魚は健康的でないといけないのです。
 長岡さんはそのあたりを熱く語ってくれました。
 また、なぜこの魚にこの餌なのかというお話、興味深かったです。魚に必要なアミノ酸は人間より1種多い8種類。これを満たし、なおかつ、魚の好む臭い、味をつけて作られていくそうです。
 魚種別ににおいを感知する実験を行ったり、色に対する反応を見たり、それはそれは脱帽と言うべき実験を繰り返して作っていきます。
 フィールド実験は欠かせません。ユーザーみんながエキスパートではありませんから、腕に関係なく、餌がいいから魚が掛るという状況を作るために、今日も長岡さんは努力されているのです。

 講義室には実験用の水槽を持ちこんで、ヘラブナ釣り用のネリエサを練って、その溶け具合、沈下速度などを見せてくれました。聴講者みんなが目を丸くして見入っていました。


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2009年3月以前のレポート

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このホームページは2009年3月末開設しました。
それ以前のレポートは 奥山文弥のブログからフィッシング・カレッジのカテゴリーをご覧ください。ところどころ抜けているのはごめんなさい。


奥山文弥のブログLinkIcon

2008年度の講座

フィッシング・カレッジでは過去にこんな講座を行いました。

2008年

4月14日(月)
第1部 自律型ロボットで魚群管理 
      講師 近藤逸人(海洋大)
第2部 静を学ぶヘラブナ釣り
     講師 長岡寛(マルキュー企画部次長)

5月12日(火)
第1部 水圏環境(海洋)リテラシーのススメ。
     海を中心とする水圏環境を総合的に理解する力を身につけ 
     よう
     講師 佐々木剛(海洋大学准教授)
第2部 離島の魚類と釣り
     伊豆7島など沖合いの離島に回遊する魚類の生態とその釣 
     りの魅力
     講師 長岡寛(マルキュー企画部次長)

●6月9日(月)
第1部  海の掃除屋の話
     捨てられた魚や余ったエサは海底でどうなるのか?
     講師 東海正 (海洋大学教授)
第2部  養殖魚の有効利用
     海洋釣り堀と言う新しいスタイルの遊漁
     講師 藤原亮 (マルキュー研究室主任研究員)

●7月7日(月)
第1部  夏はやっぱりキンギョでしょ。
     人の生活に最も身近な存在のキンギョの魅力について
     講師 岡本信明(海洋大学教授 理事 副学長)

第2部  郷土の川、多摩川を守る
     多摩川をシンボルにみんなで美しい多摩作りをしましょう。
     講師 宮坂不二生(美しい多摩川フォーラム・事務局長)  

●8月4日(月)
第1部  最大哺乳類クジラの基礎知識
     海でいきなりクジラに出会ったら、あなたはどうする?
     講師 加藤秀弘(海洋大学教授)

第2部  沖合いに出てシイラを釣ろう
     相模湾に回遊するシイラは1mを越える。泳いでいるその
     姿は芸術である
     講師 奥山文弥(海洋大 客員教授)

●9月8日(月)
第1部  魚はなぜ群れるのか?
     大半の魚が群で行動する。その理由と原理を解き明かす。
     講師 有元貴文(海洋大学)

第2部  カツオで健康になる(予定)
     DHAタップリのカツオこそ日本人の魚食文化の基礎
     講師 矢澤一良(海洋大教授)

●10月6日(月)
第1部  東京湾再生計画
     生物濾過による水質改善と、運河に生息するスズキの食性
     講師 榎本茂(NPO法人海塾 塾長)

第2部   「新しい船をめざして(仮題)」
     講師 和泉 充(海洋大教授・副学長・社連センター長)

●11月10日(月)
第1部  東京湾を支える生物達
     生物層が豊かな東京湾の物質循環を探る
     講師 石井晴人(海洋大学助教) 

第2部  遊漁船業とは
     漁師が遊漁案内業に変わってしまった理由
     講師 三村達矢(マルキュー株式会社特販課 課長)

●12月8日(月)
第1部  疑似餌と水産生物の能力
     魚やイカは擬似餌(ルアー)をどう捉えているのだろうか?
     講師 稲田博史(海洋大学准教授)

第2部  東京湾シーバス(スズキ)釣りの魅力
     身近な東京湾は大物の宝庫。それは本当?
     講師 奥山文弥(海洋大学客員教授)

2009年

●1月13日(火)
第1部  ワカサギの資源と遊漁活用
     真冬の風物詩、ワカサギ釣り。漁業が困難なため遊漁へ切り替え作戦
     講師 工藤貴文(海洋大学助教)

第2部 日本のゲームフィッシュ
  多種多様な日本の釣り対象魚について
     奥山文弥(海洋大・客員教授)

●2月9日(月) 
第1部  サケ科魚類に未来はあるか
     海水温上昇で回遊に変化。日本に帰ってくるのか
     講師 井田斉(北里大学名誉教授)

第2部  ニジマスについての基礎知識
     食用?遊漁用?食生活変化の犠牲にならないために。
     講師 奥山文弥(海洋大客員教授)

●3月9日(月)
第1部 ルアーフィッシングの魅力
    ベンチャー企業を立ち上げてからメジャーになるまでの道程
    講師 伊東由樹(メガバス株式会社社長)
        奥山文弥(海洋大客員教授)



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